Click here to visit our sponsor


NEw (07.10.10)

『社説10月』 森下村長の所信表明を聞いて

 互助と連帯感の醸成で夢と新しいビジョン描けるか

---------------------------------------------------------   

 19日開かれた19年度9月定例議会で森下一男村長村長の所信表明を聞いた。それによると、政策課題として、小笠原諸島振興開発特別処置法の延長、小笠原航空路早期開設、世界自然遺産登録、デジタル化に向けた情報アクセスの改善、村内経済の活性化などを挙げた。

 森下村長の所信を聞く限り、“自主性、自立性の確立”“互助と連帯感の醸成”を旨に行動することで、“人と自然、人と人の共生する”素晴らしい小笠原村ができると確信している」と、強調している。が、これでだけでは小笠原村の総体的なイメージ、ビジョンがいまひとつ抽象的で具体性が示されていない印象が残った。これでは、長期的な企画立案と実践、まとめ上げていく力に欠けるように思う。

 例えば、森下村長は、杉田一男議員の本会議一般質問で、小笠原諸島振興開発特別処置法の延長について「2期目にやりたい重点は何か、村長は何をどうしたいから特別処置法を延長したいのか。その理念は?----」との質問に対して 、森下村長は、「その理念は、できることから着実に一歩ずつ、身の丈にあった事をやることが基本理念」と応えた。しかし、村長の答弁は、基本理念ではなく方法論であって、理念というならば、こうゆう考えにもとづいて、どう取組んで、どう実現させていくかである。  

 さらに、重要なのは、森下村長が村民生活に立脚した村益に立った理念を持つこと、明確で具体性あるビジョン(構想)を持つこと、そして、結果に結びつける行動と責任を持つことが求められる。加えて、謙虚な気持ちをもって、あらゆる人達の意見を公平に聞くことが必要だ。これらはある意味で空港建設決定以上に難しい。

 小笠原とは何なのか。何が「売り物」なのか。小笠原は南国(亜熱帯)ならではの美しい自然が残っている。本土では体験できないまぶしい太陽と青い海、亜熱帯特有の多彩な動植物群に囲まれた自然の宝庫は、本土とは別世界の異質の環境といっていい。だからこそ、世界自然遺産候補地にも選定されている。

 小笠原村は、他の地域にないこうした貴重な観光資源を持ちあわせているのである。だから、これまで村は、「観光立島」を島おこしの柱に掲げたのも当然だといえる。しかし、掛け声をかけるだけなら、誰でもできる。問題は、目標に向け計画的にどう積み上げ、どう実行していくかである。

 小笠原村の生活、社会基盤の整備は他の島に劣らない。むしろ整備されている。村にとって問われることは、そうしたインフラ整備を足場にして、島おこしにつながる活性化策が着実に実行に移せるかどうかである。

 もともと「(小笠原村の)“自主性、自立性の確立”」は、思いつきや抽象的議論だけでは、とても実現しえない。緻密な計画のもとに、一つ一つの部品を組み立てるように構築していくものだ。そして、イメージと現実が一致する小笠原村の「顏」を、築き上げていくことも不可欠の条件であることを忘れてはならない。 

-------------------------------------------------------------------------------

戻る