平成11年三月

 小笠原村議会定例会

           【決算特別委員会】


村収入徴収徴収率に具体策を

  「勉強はしていないので低下の実態は把握していない」―宮澤村長

     方法を検討し前向きに取り組む姿勢を示す

 午前中に行われた監査委員会の意見書の中で、村民税・国民健康保険税・保育料・生活再建資金返済金等の徴収率の低下傾向が続いている。訪問徴収や、郵便局・農協など納入場所の多様化、口座振替のためのOA化の検討など、徴収率向上の具体策の必要性を指摘されたことに対し、審議の中でも櫛田真昭委員から「例年同じ指摘を受けている。徴収率低下を防ぐ手立てを村長はどう考えるのか」と、質された宮沢昭一村長は、「踏み込んだ勉強はしていない」と答えた。

 これに対し同委員から「答弁になっていない」との声に、「方法を検討し前向きに取り組む」と言い直し、訂正する場面があった。また、同委員から「徴収率低下の原因を村長として把握しているか」と質問され、宮沢村長は「申し訳ないが把握していない」と答弁。村長に代わって松山総務課長から「七年度は個別訪問徴収をしたが、八年度は別の作業が入り、手が回らなかったのが低下の原因」との説明があった。                     


 医師の高額委託料年間九千九〇〇万円、

  都衛生局から指摘

     医師の確保が優先―村長               

 

 池田望委員は、年間九千九〇〇万円の医師の委託料に関し、「できるだけ多くの医師を確保し、速やかに診療を受けられることが望まれているが、今の医師の(人数に対する)委託料は適性か」とただしたのに対して、宮沢村長は「委託料うんぬんより、医師の確保が優先。今の委託料が適性かどうか、意見は持っていない」と答えた。斉藤村民課長は「当村は他と比べて高めかなと思う。それは都の衛生局からも指摘されている。当初は無医村では困るといういきさつもあったが、今後は医師の人員整備(増員)から、委託料の軽減化を図っていく」と述べた。 


 ◎特産品開発センター

 今年度赤字額約一千二八七万円

  “存続か廃業か”の結論、今年度中に結論―宮澤村長

 

 佐々木幸美氏は、特産品開発センター(ラム・リキュール工場)の経営がスタートからこの十年間赤字続きであり、建物賃貸の商工使用料も村に支払われていないことから、八年度の赤字の実態と、当社社長である宮沢村長に今後の経営への姿勢を尋ねた。

 箭内産業観光課長から、八年度の赤字は約一千二八七万円であることが説明されたあと、宮沢村長は、「実態把握の上継続するか、やめるか、今年度中には結論を出したい」と述べた。これに対し佐々木議長は、「これだけ補助金(初期設備費に約三億五千万円)をつぎ込んでいる。

 このほか、これまで同社には補助金が一億三千五百万円も投入されている。このままでやめられるのか」と質した。宮沢村長は「十年間、良い結果が出ていない。できれば存続の方向で行きたいが、幾つかの選択肢の中にやめる方向もあるということだ」と答弁。佐々木氏の質問に対する今後の具体的な経営姿勢については示されなかった。


◎生活再建資金

「都の無利息元金を、村は有利子貸出し」に疑問

  違法性なし。利子は災害対策基金に積む―小笠原村

 

 森下一男委員は、昭和五十八年の台風十七号の被害に対する激甚災害指定の貸付金・生活再建資金返済に係る質問の中で、「村は都より無利子で元金を借りていながら、村民からは有利子(三%)で返済させているのには矛盾がある。その利子はどこに充てているのか」と質問。武藤企画財政課長は「滞納者の分が足りなくなるので、利子を元金返済に充てている」と回答。

 同委員は、さらに「返済が進まない原因が利子にもあるとしたら、再検討すべき」と述べたのに対し、宮沢村長は「前向きに取り組む」と回答した。

 櫛田委員は「都の無利子の制度融資を受けながら地方自治体が金利を稼ぐことをやって良いのか悪いのか、何処かに明記されていないか」との質問に、武藤課長は、「無担保の者には有利子で、三%の利率を超える他の融資を併用する場合は、無利子と都の指導にある」として、違法ではないことを説明した。

 これに関連して、箭内産業観光課長は「当時財政担当であったことから、将来、災害対策基金を創っていくにあたり、その原資にこの利子も充てると言う申し合わせがあった」と、経緯を述べた。さらに武藤課長は、「返済期限の五年後、完済されたとして、元金返済に充てていた利子と基金取崩し分は、災害対策基金に積んでいく」と、当局の考えを改めて明らかにした。

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